40代の健康 / 更年期と運動
更年期におすすめの運動は?
40代・50代の体調に
合わせた始め方。
「運動した方がいいと聞くけれど、疲れる日もある。何を選べばいい?」。歩く、筋力を使う、ほぐす。それぞれの役割を知ると、その日の自分に合う動き方を選びやすくなります。
今日の体調に合わせた選び方へ更年期の運動は、歩くなどの有酸素運動と、筋力を使う運動を、体調に合わせて組み合わせるのが基本です。ストレッチも取り入れながら、まずは「今日できそうな動き」を一つ選んでみましょう。
元気な日も、疲れる日も、同じメニューでなくて大丈夫。
運動はこれからの体力や骨・筋肉の健康を支える習慣です。つらい症状は我慢せず相談し、動ける範囲から少しずつ始めます。
更年期は、閉経を挟んだ前後約10年間を指し、時期や症状には個人差があります。このページは公的資料をもとにした一般的な運動の選び方です。年齢や疲れやすさだけで、更年期と判断するものではありません。[1]
01
「歩く・支える・ほぐす」を組み合わせる
一つの運動だけですべてを補おうとせず、役割を分けて考えます。英国の公的医療機関NHSは、更年期前後の健康づくりとして、歩行やダンスなど体重を支える運動と、筋肉に負荷をかける運動を紹介しています。[2]
- 歩く有酸素運動
- 散歩、室内の足踏み、無理のないダンスなど。息が上がりすぎないペースから、日々の活動量や持久力を支えます。
- 支える筋力を使う運動
- 椅子からの立ち座り、壁を使う腕立てなど。立つ・歩くといった日常の動作を支える筋肉に、少しずつ負荷をかけます。
- ほぐすストレッチなど
- 肩や足首をゆっくり動かす、痛みのない範囲で伸ばすなど。体を動かしやすくする補助として取り入れます。
筋トレは重い器具がなくても始められます。厚生労働省のガイドでは、成人の筋トレを週2〜3日推奨し、有酸素運動と組み合わせる考え方を示しています。運動に慣れていない時は、少ない回数から自分に合う量を探しましょう。[3]
具体的な姿勢や動かし方は、自宅で始める筋トレ3種目と、室内ウォーキングのやり方で確認できます。骨粗しょう症や骨折歴、関節の痛みがある方は、種目や負荷を医療者と相談してください。
02
毎回、今日の体調から選び直す
昨日できた長さを、今日も必ずこなす必要はありません。厚生労働省の安全に関する資料も、運動前・運動中・運動後の体調確認を勧めています。次は、その考え方を日常に取り入れるための当サイトの提案です。[4]
- いつもどおりで、動けそうな日
楽な足踏みから始め、体調を確かめて散歩やダンスへ。余裕があれば、別の時間に筋力を使う運動も組み合わせます。
- 寝不足ぎみで、少し疲れている日
長さや速さを控えめに。軽く体を動かすか、休むかを選びます。「始めれば必ず元気になる」と考えて押し切らなくて大丈夫です。
- 強いだるさ・痛み・めまいがある日
運動は休み、症状に応じて相談を。胸の痛みや強い息苦しさなどがある時は、運動で様子を見ようとせず、速やかに医療機関へ連絡してください。
この分類は、運動の可否を診断するチェック表ではありません。治療中の病気や服薬について運動の指示を受けている方は、その指示を優先しましょう。
ほてる時は、涼しさと休憩を優先する
換気や室温、服装を調整し、水分をとれるよう準備します。汗の量を目標にせず、暑さや気分の悪さがあれば中断を。汗をかくことと、体脂肪が減ることは同じではありません。詳しくは汗と脂肪燃焼の考え方も参考にしてください。
03
家で始めるなら、短い足踏みから
「何分できるか」を試すより、最初は「この動きなら続けられそうか」を確かめてみましょう。次は体調がよく、運動を制限されていない方に向けた開始例です。更年期症状の治療や、必要な運動量を満たすためのメニューではありません。
- 床と周囲を片づける
滑りにくい場所を選び、足元の物をよけます。肩や足首を楽な範囲で動かして準備します。
- 楽な足踏みを1〜3分だけ試す
これは慣れるための一例です。会話できる余裕を残し、もっと短くてもOK。慣れないうちは、腕を大きく振ることや動画の速さについていくことを優先しません。
- ゆっくり終え、その後の体調を見る
問題なく動けた時は、徐々に動きを小さくして終えます。その日や翌日に疲れ・痛みが強く残るなら、次回は短くするか休みましょう。途中で異変があれば、その時点で中止してください。
慣れてきたら、気持ちよく動ける範囲で少しずつ時間を増やし、筋力を使う日も作ります。成人の公的な目安には、生活の中で動く時間も含まれます。短く始める段階と、長期的な目標は分けて考えましょう。[5]回数や時間の整理は、宅トレは1日何分・週何回?へ。
音楽に合わせて動きたい、余裕のある日に
家で歩く動きに慣れ、もう少し楽しみたい時は、ちひろの20分室内散歩も選択肢です。腕や脚をしっかり動かす動画なので、最初から20分すべてを目標にせず、短い区間からどうぞ。動きがきつい時は小さな足踏みに戻すか、そこで終えて構いません。
▶おうちで、音楽と一緒に跳ばない室内散歩第2弾・20分短い区間から、自分に合うペースで。動画の再生先はYouTubeです。動きを動画で見てみる
更年期の治療用に作られた動画ではありません。強度を下げる工夫は、宅トレがきつい時の調整方法で紹介しています。
04
体力づくりと、症状の治療を分けて考える
運動には、体力や筋力を保ち、骨の健康を支える役割があります。歩く時間と筋力を使う時間を積み重ねることは、更年期前後にも大切です。[2][3]
北米更年期学会の2023年声明では、運動やヨガを、ほてり・寝汗を軽減するための治療としては推奨していません。これは運動の健康上の価値を否定する意味ではなく、特定の症状への治療効果を約束できないという区別です。[6]
運動しても症状が残ることを、頑張りが足りないせいにしなくて大丈夫です。睡眠や食事を整えること、医療機関で相談することも、運動と並行して考えられます。
体重が気になる時も、運動だけに任せない
「更年期だから何をしても無駄」と決めず、食事と日々の活動を一緒に振り返りましょう。急に運動を増やしたり、食事を抜いたりせず、続けられる組み合わせを探します。献立に迷う日は、無理なく続く一週間の食事メニュー例も使えます。
05
動けない日が続いたら、相談も選択肢に
疲れやすさや動悸などがあっても、原因がすべて更年期とは限りません。不調が続く、家事や仕事、睡眠に支障がある場合は、婦人科やかかりつけ医に相談してください。「運動を続けられない」ことも、困っていることとして伝えてよい内容です。[1]
- 運動中の胸痛・動悸・めまい・強い痛み:その場で中止します。胸の痛みや強い息苦しさ、意識が遠のくなど緊急性のある症状では、救急要請を含めて速やかに対応してください。[4]
- 閉経後の出血や、気になる月経の変化:運動で様子を見ず、医療機関へ相談します。[7]
- 骨粗しょう症・骨折歴・持病がある:新しい運動や負荷の増加は、事前に相談しましょう。[2][4]
受診時は「いつから」「どんな場面で」「生活で何が困るか」を短くメモしておくと、状況を伝えやすくなります。つらい日は休み、落ち着いたら小さく再開する。その行き来も含めて、自分に合う習慣を作っていきましょう。
06
更年期の運動で、よくある質問
更年期には、どんな運動がおすすめですか?
歩く・足踏みなどの有酸素運動と、筋力を使う運動を体調に合わせて組み合わせるのが基本です。ストレッチは体を動かしやすくする補助に。すべてを初日からそろえず、できそうなものを短く試しましょう。
更年期でだるい日も、運動した方がいいですか?
強いだるさや体調不良がある日は、休むことを優先してください。症状が軽く動けそうな日は、楽な足踏みなどを短く試す選択肢もあります。不調が続く、日常生活に支障がある場合は、更年期だけと決めつけず婦人科やかかりつけ医へ相談しましょう。
運動をすれば、ホットフラッシュは治りますか?
運動には体力・筋力・骨の健康を支える役割がありますが、ほてりや寝汗が治るとは言い切れません。北米更年期学会の2023年声明では、運動やヨガを、ほてり・寝汗を軽減するための治療としては推奨していません。症状がつらい時は、運動だけで対処せず医療機関へ相談してください。
ストレッチだけでもよいですか?
体を動かし始める入口にはなります。ただし、筋力や心肺機能を支える運動とは役割が異なります。体調が安定してきたら、歩く時間や筋力を使う運動も、できる範囲で加えてみましょう。
更年期は運動しても痩せないのでしょうか?
更年期だから運動が無意味になるわけではありません。ただし、体重は運動だけで決まらず、食事や日々の活動なども関わります。短期間の体重だけで判断せず、続けやすさや体力の変化も確認しましょう。急な体重変化や強い不調がある時は医療機関へ相談してください。
参考にした公的資料・学会声明
- 厚生労働省「令和7年度 女性の健康週間」(2026年):更年期・更年期障害、受診について
- NHS:更年期前後の生活習慣、運動と骨の健康
- 厚生労働省・e-ヘルスネット:身体活動・運動ガイド2023「筋力トレーニングについて」
- 厚生労働省・e-ヘルスネット:身体活動・運動を安全に行うためのポイント
- 厚生労働省・e-ヘルスネット:身体活動・運動ガイド2023「推奨シート:成人版」
- 北米更年期学会(現The Menopause Society):2023年 非ホルモン療法に関する声明
- NHS:更年期前後の症状と医療機関へ相談する目安
資料確認日:2026年9月29日。公的資料・学会声明と、当サイトが提案する開始例を区別して掲載しています。ちひろ本人の更年期体験を記した記事ではありません。個別の診断・治療・運動処方に代わるものではなく、症状や治療状況に応じて医療者に相談してください。