運動不足を家で解消したい。
何から始める?
まずは1日1分から。

「最近ほとんど動いていない」「運動しなきゃと思うほど気が重い」。そんな日に必要なのは、いきなり完璧なメニューではなく、今日できる最小の一歩です。

座りっぱなしから立ち上がり、ストレッチをして音楽に合わせて家で運動を始める女性のイラスト

運動不足が気になると、「毎日30分走らないと」「きつい筋トレをしないと」と考えてしまいがちです。けれど、最初から大きな目標を置くほど、着替える前に心が止まってしまうこともあります。

この記事の結論

1分で運動不足がすべて解消するわけではありません。1分は、0分だった今日を動かすための入口です。まず始め、生活の中の動きも数えながら、少しずつ合計を増やしていきます。

01

運動不足は「運動した・しない」の二択ではない

厚生労働省の「身体活動・運動ガイド2023」では、身体活動を大きく二つに分けています。一つは、家事・仕事・通勤などの日常生活で体を動かす生活活動。もう一つは、健康や体力のために計画して行う運動です。

生活活動掃除・買い物・階段・歩く

暮らしの中で自然に動く時間

運動宅トレ・散歩・筋トレなど

目的をもって体を動かす時間

つまり、ジムへ行かなかった日が「活動ゼロ」とは限りません。洗濯物を立ってたたむ、遠い方の店まで歩く、テレビの合間に足踏みをする。こうした小さな動きも積み重なります。

運動を始める前に、まず「今日すでに動いたこと」も数えてみる。足りない自分を責めるより、今ある動きに一つ足す方が続けやすくなります。
診断ではなく、見直すきっかけに

「階段で息が切れる」「長く座った後に体が重い」「休日はほとんど座っている」といった感覚は、生活を見直すきっかけにはなりますが、病気や体力低下を自己診断する基準ではありません。症状が強い、急に変わった、日常生活に支障がある場合は医療機関へ相談してください。

02

「1日60分」という目安を、初日の合格ラインにしない

厚生労働省は成人に、歩行相当以上の身体活動を1日60分以上、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上、筋力トレーニングを週2〜3日行うことなどを勧めています。

ここを間違えないで

「1日60分」は、初日から60分の運動動画を完走するという意味ではありません。身体活動には家事や通勤なども含まれます。また同じ資料には、体力や体調などの個人差に合わせ、可能なものから取り組み、今より少しでも多く動くことが示されています。

01

座りっぱなしを中断する長く座る日は、区切りごとに立つ、伸びる、少し歩く。

02

生活の動きを少し増やす家事、買い物、移動など、すでにある行動を活用する。

03

短い運動を足すまず1分。慣れたら3分、5分と、その日の体調に合わせて増やす。

身体活動が少ない人ほど、今よりわずかに増えることにも意味があると考えられています。大きな目安はこれから向かう方角。今日の一歩は、もっと小さくて大丈夫です。

03

家ならできるはずなのに、なぜ始められない?

家での運動は、移動も予約もいりません。それでも始められないのは、怠けているからとは限りません。「運動する」までに、小さな判断がいくつも隠れているからです。

何をする?何分する?着替える?きつそう…

私も運動は習慣になっていますが、始める前に「今日はちょっと面倒だな」と思う日はあります。そんな日は、長いメニューをやり切ることより、好きな音楽を流して一つ目の動きを始めることを優先します。動き始めると、終わるころには気分が上向くことが多いです。

1回の運動後の気分変化を調べた2024年のメタ分析でも、全般的な気分、不安、抑うつ症状への好ましい変化が報告されています。ただし、感じ方には個人差があります。運動を「消費カロリーのためだけ」にせず、気持ちを切り替える短い時間として使うのも一つの考え方です。

04

今日からできる、跳ばない1分メニュー

まずは動きやすい服のまま、滑らない場所を確保します。息を止めず、「少し体が温まったかな」くらいの速さで行ってください。痛みを我慢して続ける必要はありません。

  1. 0:00–0:20
    その場で足踏み

    腕も自然に振る。足音が大きくならない速さで。

  2. 0:20–0:40
    腕を開いて、肩まわりを動かす

    肩をすくめず、胸の前で閉じて左右へ開く。

  3. 0:40–1:00
    左右へサイドステップ

    膝を軽く曲げ、無理のない幅でリズムに乗る。

立った運動が難しい日は

安定した椅子に座り、足踏みや肩まわしに変えて構いません。速さや動きの大きさを半分にしても大丈夫です。「動画と同じ形」より、転ばず気持ちよく動けることを優先してください。

05

1分から5分、7〜15分へ増やす

1分を続けられたら、毎日必ず長くする必要はありません。忙しい日は1分に戻り、余裕がある日にだけ次の段へ進みます。

STEP 11分

とにかく始める日

STEP 23〜5分

一曲ぶん動く日

STEP 37〜15分

余裕のある日に楽しむ

増やす基準は「もっとやらなきゃ」ではなく、翌日に強い痛みや疲労を残さず、またやってもいいと思えること。回数や時間は、体調・体力・持病などに合わせて調整します。

続けるコツは、時間ではなく「合図」を決めること

「余裕があったらやる」だけでは、毎日判断が必要になります。そこで、すでにある行動の後ろに1分を置きます。

  • 歯みがきの後→ その場足踏みを1分
  • お風呂の前→ 好きな曲を一つ流す
  • 夕食の片づけ後→ 短い宅トレを一つ

「いつ・どこで・何をするか」を先に決める方法は、運動する意志を行動へ移す助けになる場合があります。ただし誰にでも同じ効果があるわけではないため、自分の生活で無理なく思い出せる合図を探します。

06

体重より先に見てほしい、小さな変化

運動を始めると、すぐ体重の数字だけで成功・失敗を決めたくなります。でも最初に見たいのは、生活の中で動く回数が増えたか、始める抵抗が少し下がったかです。

始めやすさ迷う時間が短くなった

1分なら始められる日が増えた

座る時間途中で立てた

長い座りっぱなしを区切れた

気分少しすっきりした

動いた後の自分の感覚を知れた

体力前より楽に動けた

同じメニューで余裕を感じた

よくある質問

運動不足の解消には、1日何分動けばいい?

公的な目安では、成人に歩行相当以上の身体活動を1日60分以上、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上行うことなどが勧められています。ただし、これは初日の合格ラインではありません。1分は目標達成ではなく、0分から始める入口。その後、生活活動も含めた合計を少しずつ増やします。

家での運動は毎日した方がいい?

軽い運動は体調に合わせて日常に取り入れられますが、毎日必須ではありません。疲れや痛みがある日は休み、同じ部位を強く鍛え続けないようにします。「週に何回できたか」より、無理なく戻ってこられる形をつくることを優先してください。

汗をかかない運動でも意味はある?

汗の量は、運動の効果や脂肪が燃えた量をそのまま示すものではありません。軽い動きでも、座りっぱなしを中断し、今より活動量を増やす一歩になります。

裸足でもできる?

滑らず、足元に危険がない場所なら、跳ばない軽い運動を裸足で行える場合もあります。床が滑る、足や関節に不安がある場合は、室内用シューズなど自分が安定する方法を選んでください。

大切なのは「毎日完璧」ではなく、休んだ後にまた戻れること。運動不足が気になった今日が、1分動いてみるにはちょうどいい日です。

何から始めるか迷ったら

着替える前に、まず60秒。
音楽に合わせて一緒に動こう。

60秒の宅トレを選ぶ

安全に始めるために

胸の痛み、原因のわからない強い息切れ、めまい、動悸、冷や汗、いつもと違う強い痛みなどがある場合は、運動を中止してください。持病がある、治療中・服薬中、妊娠中、長期間ほとんど運動していないなど、安全面に不安がある方は、始める運動の内容を医師などの専門家へ相談してください。

参考にした公的資料・研究

この記事は、ちひろ個人の体験と一般向け情報をまとめたもので、診断や治療、個別の運動処方を目的としたものではありません。体力や健康状態には個人差があります。

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