EXPERIENCE & HEALTH
食べないダイエットで
痩せなかった私が、
3食と運動に変えた話。
炭水化物を抜き、朝も昼も食べず、夜だけ食べる。運動までしているのに、思うように痩せない。そんな私が「もっと減らす」のをやめるまでの体験です。

「食べなければ、早く痩せられる」。以前の私は、そう信じていました。食べる量を減らしているのだから、頑張った分だけ結果が出るはず。でも現実は、空腹とストレスが大きくなり、ダイエットそのものがどんどん苦しくなっていきました。
私に必要だったのは、さらに食事を減らすことではありませんでした。食事と運動を、無理なく繰り返せる形に戻すことでした。
01
私がしていた「食べないダイエット」
当時の私は、炭水化物を太るものだと思い、できるだけ避けていました。朝ごはんも昼ごはんも食べず、夜だけ食べる日もありました。
空腹を我慢してスタート
食べ物のことが頭から離れない
反動で量が増えることも
エネルギー不足で気分も重い
運動もしていました。それでも思うようには痩せませんでした。たまに食べるときは、それまで我慢していた分、止まらないように食べてしまう。食べた後は後悔して、また抜く。いつの間にか、ダイエットをしている時間そのものがストレスになっていました。
食べない → つらい → 反動で食べる → 後悔して、また食べない。
私が苦しかったのは、意志が弱かったからではなく、続けにくい方法の中にいたからだと思います。

02
なぜ「食べないのに痩せない」と感じたのか
ここは、体験と科学を分けて考えることが大切です。炭水化物を抜いたから脂肪が一切燃えなくなる、食べなさすぎると必ず太る、という単純な話ではありません。
体は炭水化物が少ないときにも脂肪などをエネルギーとして使えます。ただし、極端に食べる量が少ない生活は、疲労感・集中力の低下・強い空腹を招きやすく、運動や日常活動を続けるうえで不利になることがあります。
1. 動くためのエネルギーまで足りなくなっていた
炭水化物は、たんぱく質・脂質と並ぶエネルギー源です。厚生労働省の解説でも、不足すると疲労感や集中力の低下がみられるとされています。私の場合も「運動はしている」つもりでも、普段の元気や動きの質まで落ちていたのかもしれません。
2. 体重が減るほど、食欲が強くなる仕組みもある
体重を減らした後には、消費エネルギーが下がるだけでなく、食欲が強くなる生理的な反応も報告されています。停滞や反動をすべて「意志の弱さ」で片づけないことが大切です。
3. 厳しいルールとストレスが、反動を強くした
食事を抜く、量を極端に減らす、特定の食品を完全に避ける、といった方法が、一部の人では過食に関係する可能性があります。ただし、すべての食事管理が過食を起こすわけではなく、研究でも関係は複雑です。私にとっては「禁止」が増えるほど、食べ物への意識とストレスが大きくなりました。
4. 3食は魔法ではない。でも、私には続けやすかった
1日何回食べれば必ず痩せる、という決まった答えはありません。食事回数の研究結果も一様ではなく、総量・内容・時間・体調・続けやすさが関わります。私が3食にした意味は、代謝を魔法のように上げることではなく、強い空腹と反動を減らし、毎日を安定させることでした。
03
炭水化物は「抜く・抜かない」より、量と組み合わせ
今は、ごはんやパンなどの炭水化物も適度に食べています。炭水化物は悪者ではなく、体を動かすためのエネルギー源のひとつです。
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、一般的な目標量として炭水化物を1日のエネルギーの50〜65%としています。これは一人ひとりへの減量指示ではありませんが、炭水化物をゼロにすることが健康的な食事の標準ではない、と考える目安になります。
動くためのエネルギー
体をつくる材料
食物繊維や微量栄養素
厚生労働省の食事バランスガイドも、主食・主菜・副菜を組み合わせる考え方を示しています。完璧な献立でなくても、まずは「主食だけ抜く」のをやめ、三つの要素が少しずつある食事を目指す方が、私には現実的でした。
04
今は3食を食べて、短くても運動する
今は朝・昼・夜を食べ、炭水化物も適度に取り入れています。そして、完璧でなくても運動する習慣を続けています。それでも体型は維持できています。
3食を基本にする食べすぎた翌日も、罰のように食事を抜かない。
炭水化物も適度に食べる「禁止」ではなく、その日の活動や空腹に合わせる。
短くても体を動かす気が重い日は、まず60秒。始めるハードルを下げる。
体重だけを成功にしない気分、体力、眠り、続けられたことも見る。
運動すると気分が上がるのは、気のせい?
私も、やる前は「面倒だな」と思う日があります。でも音楽に合わせて動き始めると、終わるころには気分が上向きます。
これは「特定のホルモンが出るから」と一つだけで説明できるものではありません。2024年のメタ分析では、1回の運動後にも全般的な気分、不安、抑うつ症状の改善がみられました。ただし個人差はあります。私にとって運動は、カロリーを消費するだけでなく、気持ちを切り替える時間になっています。
汗の量そのものは、脂肪が燃えた量や「代謝の高さ」を示すものではありません。汗は体温を調節する反応です。大切なのは汗の多さではなく、実際に体を動かしたこと。とはいえ、汗をかいた爽快感が「また動こう」という気持ちにつながるなら、それも立派な続ける力です。
05
食べないダイエットをやめたい日に、変える4つのこと
- 1全部ではなく、食事を一つ戻す
朝か昼のどちらかに、主食とたんぱく質を含む簡単な食事を足してみる。
- 2「食べてはいけない」を一つ減らす
炭水化物を完全禁止にせず、自分が無理なく食べられる量から戻す。
- 3運動は60秒から始める
長さよりも「今日も始められた」を優先する。半分の速さでも大丈夫。
- 4体重以外もメモする
空腹、気分、疲れ、眠り、運動後の感覚を書くと、続けやすい形が見つかりやすい。
私が変われたのは、もっと頑張れる人になったからではありません。頑張り続けなくても回る形に変えたからです。食べない無理なダイエットではなく、食べて、動いて、少しずつ体をつくる。それが今の私の答えです。
体調や食行動が心配な方へ
食事量が極端に減っている、食べ始めると止められない、急な体重変化、めまい・強いだるさ・月経の乱れなどがある場合は、この記事だけで解決しようとせず、医療機関へ相談してください。摂食障害全国支援センターには、本人や家族が利用できる相談窓口があります。
摂食障害全国支援センターの相談窓口を見る ↗参考にした公的資料・研究
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「炭水化物/糖質」
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定ポイント」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「食事バランスガイド(基本編)」
- 米国NIDDK「減量後の食欲増加に関する研究紹介」
- 米国NIDDK「過食性障害の症状と原因」
- Weinsteinほか(2024)1回の運動と気分に関するメタ分析
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」成人版
- 食事回数と体組成・代謝指標に関するランダム化試験の系統的レビュー
この記事は、ちひろ個人の体験と一般向け情報をまとめたもので、診断や個別の栄養指導を目的としたものではありません。持病・服薬・妊娠中などの場合は、医師や管理栄養士にご相談ください。